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「違うチームのファン同士を仲良くさせる方法」[Vol.36]

 

2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。

グループというものがあれば、
対立は生まれてしまうのはある種、必然と言ってもいいでしょう。

昔も今もずっとこの世にあり続けることを考えると

「やはりこの対立関係はどうすることもできないのか?」

と思ってしますが、実はそんなことはないのです。

これは、ある社会科学者によって行われた研究によって
この手の対立を解消する方法が分かっています。

その実験とはこういうものです。

表向きはサマーキャンプのプログラムという名目で
被験者である少年たちを集めました。

そして、彼らの2つのグループに分け、
それぞれの住宅キャビンに住まわせることにしました。

さらに「イーグルス」、「ラトラーズ」と名前をつけ、
チーム対抗の競技を行わせたり、
あえて両グループ合同のミーティングを行わせました。

すると、お互いが競争的な行動を取るようになり
事あるごとに相手のことを野次ったり、けなしたり、
食堂では毎日のように乱闘騒ぎになりました。

「2つのグループに分けて、競争をさせる」

たったこれだけで対立関係というのは
簡単に出来上がってしまうことが分かりました。

しかし、問題はここから
どうやって対立を解決するかでした。

そこで研究者たちはこのような仕掛けをしてみました。

町に食料を買いに行くための唯一の手段であるトラックを
急にエンジンがかからなくしたのです。

お互いにとって死活問題ですから、
少年たちはみんなでエンジンがかかるように
トラックを押したり引いたりしました。

またあるときはキャンプの水道が
故障したということにして止めてみました。

このときも、今は一致団結しなければいけないことを
お互いが実感し、その日のうち協力して修理をしました。

学者たちはこのような
「協力することでお互いが利益になるような一連の状況」
を作っていきその様子を見たのです。

すると、効果はてきめんでした。

お互いを挑発するはなくなり、違うグループの少年たちでも
同じテーブルに着いて食事をするようになったのです。

最終日には、一方のグループが自分たちの資金を使って、
相手グループにミルクセーキを奢ることまでしたのです。

実験は大成功でした。

この実験から分かった最も大切なことは

「両グループに共通の目標があり協力すれば
 お互いが味方同士とみなすようになり
 対立関係はなくなってしまう」

ということです。

社内でのマネイジメントや
身近な差別に対しても

「いがみ合いをやめて、お互いに協力するほうが
 お互いにとって得になる」

ということを伝え実感させるようにすれば、
その問題は簡単に解決するでしょう。

参考にしてみてください。

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