2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。
※本記事は2014年12月31日に書かれたものです。
早いもので今年も今日で終わり、明日から2015年の始まりです。
年末年始と言えば、やはり目標設定ではないでしょうか。
来年の目標はもう決めましたか?
忘年会などでも来年の抱負を語ったかもしれませんね。
残念ながら、多くの人は年初に立てた目標を達成できません。
達成できないどころか、何を目標にしたのかすら忘れていたりします。
でも、出来る事なら、目標は達成したいですよね。
ということで、今日は立てた目標を達成するためにするべきことをご紹介します。
とってもシンプルです。
一度は聞いたことがあるかもしれませんが、「目標を紙に実際に書き出す」ということです。
「目標は紙に書きなさい」
様々なセミナーや書籍でも語られている事ですよね。
では、「紙に書く」という行為が心理学的にどのような作用を生むのでしょうか?
それは、紙に書き出すことで、「一貫性のルール」が働きます。
その結果、自分の中で目標達成に対するコミットメントが高まるため、
目標達成が実現しやすいのですね。
このような実験があります。
大学生に、学校で開催される「エイズ教育プロジェクト」のボランティアを
依頼したのですが、依頼する際に2通りの方法を試したのです。
一つは、【ボランティアに参加する】という用紙に名前を記入する方法
一つは、【ボランティアに参加しない】という用紙に何も記入しない方法
(何も記入しなければ参加するとみなす)
その結果、いずれの方法でもボランティア希望者の割合に差はありませんでした。
しかし、
ボランティア当日、実際に会場に現れた人の割合に大きな差が生まれたのです。
【ボランティアに参加する】という用紙に名前を記入する方法
→参加希望者のうち実際に会場に来たのは49%。
【ボランティアに参加しない】という用紙に何も記入しない方法
→参加希望者のうち実際に会場に来たのは17%。
「ボランティア参加の可否を紙に書く」という行為が、
参加へのコミットを高めたのですね。
このように心理学的、行動学的にも効果が実証されているにも関わらず、
実際に目標を紙に書き出すという「作業」をしている人は多くありません。
自分自身に「影響力の武器」を作用させるために、
ぜひ来年は目標を紙に書いてみてはいかがですか?