2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。
博士の研究チームは、
「どうすれば慈善募金を頼んだ時にYESと言ってくれる確率が高まるのか?」
という実験をしました。
結論から言えば、
「ある一言」を追加したことで、募金をしてくれる人はほぼ【2倍】になりました。
その一言とは、「寄付して頂けませんか?」の前に、
「1ペニー(約1円)でも助かりますので」と添えたことです。
つまり、「ほんの少しでよいので協力してほしい」と伝えるだけで、
相手が協力してくれる可能性がぐんと高まるのですね。
(仕事の現場でも、かなり使えると思いませんか?)
なぜわずか一言を添えただけで、このような差が生まれるかというと、
慈善寄付に対して、
相手が「大きな額は払えないし、小さな額では申し訳ない…。」という心理的負担を
持っているからです。
そしてその負担に対して「1ペニーでもいいです」と事前に伝えてあげることで、
心理的負担が軽くなるからです。
でも、一つ新たな疑問が浮かぶかもしれません。
それは、「1ペニーでも…」と言ったら、募金してくれる人は増えても、
総額は減ってしまうのでは…?という疑問です。
博士はその疑問を解消するために、募金総額を調べる実験もしました。
100人当たりの依頼に対して、
「1ペニーでも…」と添えたグループでは総額約7,700円集まったのに対し、
なにも添えなかったグループは総額約4,400円だったのです。
つまり、最終的に得られる「結果」に対しても、
小さなお願い作戦は功を奏するのですね。
もしあなたが、
お願いや依頼をすることが多い立場にいるのであれば、
ぜひ「小さなお願い」から始めてみてはいかがでしょうか?