「正しいキャンディーの渡し方」[Vol.10]


 

2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。

もしあなたが、お客様からチップをもらう仕事であるなら、
この事例は特に役に立つかもしれません。

とあるアメリカのレストランで、
どのミントキャンディーの渡し方をしたウェイターが
チップを一番もらえたと思いますか?

1.レジ前のかごにキャンディーを入れて、勝手に持って行ってもらう。
2.ウェイターが伝票を渡す際にキャンディーを1個渡す場合。
3.ウェイターが伝票を渡す際にキャンディーを2個渡す場合。

(日本では、だいたいレジ前にキャンディーやガムが置いていますよね。)

結論から言えば、
「キャンディーの渡し方の違い」でお客様からのチップの額が変わったのですが、
どの渡し方が一番効果的だったのでしょうか。

はい、正解です。
答えは「3」なのですが、
1と2ではチップ額の変化は3.3%アップでした。
しかし、1と3ではチップ額の変化は14.1%もアップしたのです。

キャンディーを2個にしたら、
3.3%が6.6%にはならずに14.1%もアップしてしまったのですね。

しかしこの実験はまだ終わりではありません。

2個のキャンディーの渡し方を変えてみる、という実験もしたのです。

1個キャンディーをテーブルで渡した後、
一旦テーブルを離れるそぶりを見せてから途中でわざわざ戻ってきて、
もう一個のキャンディーを渡したのです。

その結果、チップの額は23%も多くなったのです。

あなたがお客様お立場になって、想像して頂けると、
チップの額が多くなる理由も分かると思います。

わざわざテーブルに戻ってきてキャンディーをもう一個くれた
予想外のアクションに対して、ウェイターからの「特別な好意」を感じたわけですね。

そしてこの特別感がチップの金額を増やしたのです。

誰かに贈り物やプレゼントをする時に、
相手に特別感が伝わるように少し渡し方を変えてみることで、
もっと喜ばれるようになるかもしれません。

ぜひ一度試してみてください。