廃業した事例 [Vol.12]


 

2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。

博士は「倫理的に影響力を使う」ことを非常に重要視しています。

書籍にも何度も「倫理的」という言葉が
出てくることに気づいた方もいるかもしれません。

もちろん、このメールをお読みのあなたであれば、
当然「影響力の武器」を良い方向に活用すること以外考えていないと思います。

とはいえ、
影響力はモノの善し悪しに関係なく発揮されてしまうので、

残念ながら一部の人(博士をカモにしてきたような方)は、
「相手からいかに奪うか」のみに焦点を置いてこの影響力の武器を
活用しようとします。

では、非倫理的な影響力の使い方とはいったいどのようなものか?

とある地域で深刻なガソリン不足に陥った時の話しです。

そんな中、あるガソリンスタンドに貴重なガソリンが入荷されました。
うわさは一気に広がり、瞬く間に行列ができました。

その状況を見たオーナーは久々に入荷されてきた希少なガソリンを・・・、

はい、ご想像の通り高値で販売し始めたのです。
それも通常の10倍の価格で・・・。

結果、そのスタンドはわずか1日で2週間分の利益を手に入れました。

しかし、、、ガソリン不足が解消されると、
当然、苦しい時に足元を見て商売をしたそのスタンドからは一気に客が離れてしまい、
いとも簡単に潰れてしまいました。

確かに、
ガソリンに対する「圧倒的な希少性」のある状況ですから、
影響力の武器が発動して高値でも売れますが、売れてしまいますが…。

非倫理的な使い方をした結果、
短期的には儲かったものの、信頼を一瞬で失い、
二度とその土地でビジネスが出来ないようになってしまいました。

この事例では、廃業まであっという間でしたが、

あっという間とはではいかなくとも、
1年3年というスパンで目先の利益を優先して、信用をすり減らし、
じわじわと経営寿命を縮める影響力の使い方をしてしまうかもしれません。

だからこそ、「影響力の武器」をどのように使いこなすのかを、
その発案者本人から聞くことは、とても意義あることだと思うのです。