相手からの「拒否」を有効活用する方法 [Vol.1]


 

2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。

チャルディーニ博士が「青少年カウンセリング・プログラム」の
担当者を装いこのような実験をしました。

キャンパスを歩いている大学生を呼び止め、
非行少年たちを動物園に連れて行くというボランティアのお願いをしました。

結果、当然と言いますか、、、17%の生徒しかOKをしませんでした。
(83%の学生が断りました。)

そして次に、頼み方を少し変えてまったく同じ依頼をしたのです。

一体何を変えたのか?と言いますと、
動物園に連れて行くボランティアをお願いする前に、
「非行少年たちに最低2年、毎週2時間のカウンセリングボランティア」を
お願いしたのです。

当然全員が拒否しました。
そしてその後に、動物園に連れて行くボランティアのお願いをしたのです。

すると、、50%の生徒がOKしたのです。

17%→50%。
頼む方法を変えただけで、実に3倍の結果が出たのですね。

「お願いを断った」という罪悪感を払しょくしたいという返報性のルールが
働いたのですね。

博士はこれを「拒否したら譲歩」法と呼んでいます。

この事例はビジネスの現場でも使われています。

例えば、
お客様との商談の際に提案を断られたら、お客様に紹介依頼をするチャンスです。

提案したい商品やサービスの話をする前に、
必ず拒否されるようなより大きな提案をすることもできますよね。

「拒否したら譲歩」戦略は、
1.拒否された後に提案することをあらかじめ決める
2.あえて拒否される提案を考える

いずれか準備をしておけば明日からでも実行できます。
ぜひ試してみてください。