2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。
ステファン・ウォーチェルとその同僚たちの実験。
それは、ビンの中からクッキーを与え、味見して「質」を評価してもらうのですが、
参加者の半分には10枚クッキーが入ったビンを与え、
そしてもう半分には2枚クッキーが入ったビンを与えたのです。
結果はどうだったか?
ご想像通り、
「また食べたいと思う」「商品として魅力的」「高級感がある」と
全く同じクッキーにも関わらず、後者の方が高い評価を得ました。
実験はこれで終わりではありませんでした。
被験者にビンを渡す際に、最初に10枚入ったビンを渡した後、
2枚入ったビンに交換する、という実験群も用意しました。
結果、更にクッキーの評価が高まったのです。
この実験からわかることは、
「元々希少であるモノより、新たに希少になったものの方により価値を置く。」
と言うことです。
このように新たに経験する「希少性」の方が強い力を持つという考えは、
クッキーの研究以外にも当てはまります。
例えば子育てで言えば、
「一貫性のない強制やしつけをする親の子供は反抗的に育ちやすい。」
このような研究結果が出ているようです。
例えばゲームを気まぐれで禁止したり、お菓子を気まぐれで与えたり…。
「あの時はゲームできたのに、なんで今日はできないの?」
と、要するに新たな希少性が生まれる場面を作り続けてしまえば、
子供がどんどん不平を抱き反抗心を持ってしまうのは想像に難くありませんよね。
もちろん、部下育成やお客様とのコミュニケーションでも、
同様のことが十分に起こりうるので気を付けなければいけませんね。
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