ベンジャミン・フランクリンの人間掌握術[Vol.3]


 

2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。

あなたはベンジャミン・フランクリンをご存知でしょうか?

アメリカ建国の父の一人であり、
作家、政治家、外交官、科学者出版者、哲学者、発明家として活躍し、
今の100ドル札に顔が載っている人です。

しかし、社会心理学的に彼の一番の功績は

「相手に迷惑をかける事で 自分の敵から尊敬を勝ち取る方法」
を発見したことかもしれません…。

その時のエピソードをお話します。

フランクリンはペンシルバニア州議会議員だったときに
別の議員から激しい敵意を向けられ困っていました。

しかし、媚びへつらってまで
気に入られたくはなかったフランクリンはこのような方法を試しました。

相手の蔵書の中に興味深い希少本があることを知ったフランクリンは
その本を貸して欲しいと手紙でお願いしました。

そして相手はその本を送ってくれました。

一週間が経ち、その本を返すときに手紙を添えて感謝の気持ちを伝えました。

すると、
次の議会で会った時、相手はとても礼儀正しく話しかけてきて
くれるようになったのです。

それからというもの、
ふたりは親友同士となりその友情は相手が亡くなるまで続きました…。

なぜ、はじめは敵対視していた人が
このように急に好意的になったのでしょうか?

それは、相手の心の中に「一貫性の心理」が働いたためです。

はじめは嫌な奴と思っていたとしても
彼は本を貸したことにより、自分の意思で相手に協力をしたのです。

一度、手を差し伸べると、「彼は私が手を差し述べる理由のある人間なんだ」
という認識が生まれフランクリンに好意をもつようになったのです。

この方法、様々な状況で人間関係を良くするのに役立つと思いませんか?

例えば、あなたのことをあまり良く思っていない人がいたのなら、
その人に頭を下げて何かをしてもらうようにお願いをすれば良いのです。

勇気のいることかもしれませんが、
心理学的に言えばなんの躊躇もいりません。

むしろ、自分のために動いてもらえて、
さらに相手があなたのことを好意的に感じてくれるため
一石二鳥の方法といえるでしょう。

人間関係で困ったことがあるときは是非試してみてください