コカコーラ社の最悪の失敗 [Vol.4]


 

2015年2月開催の新春セミナーズフェスタを記念して、
『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ著)を用いた
実践心理学の事例をご紹介していきます。

1985年4月23日。

のちにタイム誌が「マーケティング史では過去10年で最悪の失敗」と書いた
決断をコカコーラ社は下しました。

その決断とは、甘みの強いペプシに対抗して、
従来のコークを撤退させてより甘い「ニュー・コーク」に切り替える、というものです。

その結果…、
全米の都市で「我々のオールド・コークを取り戻そう!」と
何万人ものコーク愛飲者たちが立ち上がったのです。

では、それほど「ニュー・コーク」がまずかったのでしょうか?
そうではありませんでした。

なぜなら、
25の都市で、約20万人を対象にブラインドテストをした結果、
61対39で「ニュー・コーク」に軍配が上がっていたのです。

「ニュー・コークの方がおいしい!」
という分析結果をもとに、同社は満を持して「ニュー・コーク」を市場に投入したのです。

が、結果は…、
「オールド・コーク」を取り戻そうする多くの市民から反発を受けたのです。

人は、これまで慣れ親しんだものが失われるとわかると、
とたんに「希少性」を感じます。

そして希少性は往々にしてメリット(おいしい、安い等)を凌駕するのです。

あなたも、これまで使ってきたものを「いざ捨てる」となった時に、
躊躇した経験、ありませんか?

この「失いたくない」という心理は営業の現場や、
マーケティングでも活用できますので、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか。